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 情報公開、対話の場

「にこにこ論」の展開

 

―住民投票以外の政策について

 

原発問題に関しては反対という結果に基づき、それに従った政策をとらなければいけませんでしたが、他の政策に関しては町民全体のことを考えていきました。教育、福祉、道路の整備、下水道、スポーツ行政など、わけへだてなく町政にあたりました。私が町長になる以前は、保守派が二つに分かれていましたので、建設業者に対する入札でも、選挙でどちらにつくかでその後、有利になるか不利になるかとも言われていました。「笹口が町長になったらそういうことがなくなった」とも言われました。

 

―具体的な政策としては

 

それまでは各地区自治会長の集まりである町政懇談会だけでしたが、福祉や教育、スポーツなどそれぞれのテーマに関心のある町民に集まっていただくテーマ別懇談会を始めました。それとは別に、若手農業者の会、商工会青年部、子育て中の主婦の方たちとの会合も持ちました。各地区との個別会合にも出席しました。福祉関係の建物の建設もありましたが、それ以上に力を注いだのが福祉や教育の中味です。例をあげると、シルバー人材センター、訪問介護ステーション、学童保育、子育て支援センター、ボランティアセンター等々を立ち上げました。北海道のニセコ町長を務めた逢坂誠二さんの政策を参考に、「巻町便利帳」を発行し、全戸配布しました。

 

―公共施設、窓口案内などを網羅した冊子。現在の新潟市も発行していますね

 

私が町長になる前、巻町役場の窓口対応が必ずしも良いとは言われていませんでした。そこで私は年度始めの職員への挨拶の中で、島根県出雲市長を務めた岩國哲人さんの「市役所はその地域最大のサービス産業だ」という言葉を引用し、役場職員としての自覚をうながしました。また窓口では、いつも笑顔で対応するように要請しました。「笑顔で出迎えれば、来訪者が利用しやすく、相談しやすくなる。笑顔で対応できる人は、いつもニコニコする性格の人だとは私は思わない。笑顔で対応できるように自分を育てた人だと思っています」との主旨を毎年繰り返しました。

インタビューページ11

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