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 100年に一度、世代を超えた問題

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

― 当時の町の人の葛藤や雰囲気がだんだんとわかってきました…

 

「実行する会」では、原発を作るか作らないかは、100年か200年に一度、あるかないかの重大な問題であり、家族や子ども、孫まで世代を超えた極めて重要な問題だと考えました。それを町長や20数名の議員、一部の利害関係者だけで決めるのはいけない。命や健康に関わることに関しては、町民みんなで決めようじゃないかと。誰からも拘束されずに、自分の意志で、意見を表明できる住民投票をやったらいいんじゃないかと提案しました。

 

― 会の立ち上げ後、まずは何を

 

いきなり「実行する会」を立ち上げましたって言っても誰も信用しないですよね(笑)。私たちが本気であり、町民から信頼してもらえるよう、まずはプレハブを立てて事務所としました。そして、職員を雇用して人件費を出しました。そして、電話を引いて、中古のリソグラフを買ってきました。

 

― それらの費用はどうしたのでしょうか

 

会の最初に集まった7人で100万円ずつ出しました。それ以後は、基本的にはカンパでまかなって活動を続けましたが、後から運動に集まってくる人に意識の差が生まれないよう、最初の出資に関しては公表しませんでした。

 

― はじめは「自主管理」の住民投票を行ったとのことですがその経緯は

 

まず私たちはマスコミ発表を行い、会の発足を正式に発表。その後、住民説明会を行い、賛同者を募りはじめました。そして、佐藤町長に住民投票の申し入れに行こうと思ったのですが、これがなかなか会ってくれなかった。私たちは、行政に住民投票の実施をお願いしてもやってもらえないだろうという予想をしていました。だからと言って私たちが勝手にやってしまうと、「なぜ町に頼まないんだ」と反論されるとも予想していましたので、まずは、お願いしようじゃないかと。住民投票の実施日を仮決めして、投票場所の体育館や公民館などの仮押さえをしました。

 

― そこまでの下準備をして

 

そうです。それから役場の総務課に問い合わせたんですが、会ってくれない。「時間がない」というんです。佐藤町長とは、巻中学、巻高校の同級生でもあるんですよ。特に親しいという仲ではありませんでしたが、共通の友人もいましたし互いに知った相手です。早朝でも深夜でもいい、10分でいいから時間をもらえないかと伝えたんですが…。それで、佐藤町長が朝、出勤してくるのを入口で待って、ようやく時間を取ってもらいました。

 

― まず会うまでも大変

 

申し入れの内容は原発建設に関して町が住民投票を実施してもらいたいということ、それが出来ない場合は私たちが行うので協力してもらいたいと伝えました。立会人の派遣、会場の確保、選挙道具などを貸してもらいたいと。しかし、1週間たって「町は公費助成にあたることはできません」という回答がきました。立会人の派遣など人件費もかかるわけですから、それらに助成することはできないと。

インタビューページ3

民主主義,住民投票,原発,民主主義の学校

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